【保存版】古典芸能の一覧

本記事では、古典芸能をまとめてご紹介します。

「古典芸能って歌舞伎以外に何を指すの?」

「古典芸能に興味あるけど違いがあまりわからない、、、」

「国宝を見て日本の芸能について学びたいと思った」

こんなことを考えている方もいると思います。

この記事では、舞台活動を8年以上続けている筆者が、各芸能の概要を一気に説明します。

日本の芸能について興味がある方は、ぜひこの機会に自分が興味ある芸能を見つけてみてください!

目次

そもそも古典芸能ってなに?

主に近世(江戸時代)以前に日本で創られた、現在も継承、上演されている舞台表現を指します。

昔から存在しているため、舞台というライブ的な表現が主流であり、現在も様々な劇場で上演され続けています。

日本は、独自の文化が豊かで、その数も非常に多いです。

若い人に古典芸能が馴染みないのは、昔から受け継がれている言葉づかいや時代背景の違いが大きな要因でしょう。

しかし実際には現代のドラマのようなお話に出会えることもあります。

古典芸能の一覧

古典芸能は、その芸能ごとに目的や特徴に違いがあります

踊りや音楽、芝居などそれぞれ大切にしていることが違ったり、目的も異なるため、その違いを考えながら1つずつ見ていきましょう。

分類表現媒体
音楽、歌神楽、雅楽、能、歌舞伎、文楽、組踊、民謡
踊り、舞神楽、雅楽、舞楽、能、歌舞伎、文楽、日本舞踊、組踊、舞踏
語り、芝居能、狂言、歌舞伎、文楽、組踊、大衆演劇

神楽

日本の神道における祭事の1つで、神様のために捧げる儀式

「御神楽(おかぐら)」と「里神楽」の2種類に分類されます。

舞と歌を中心とした奉納が特徴的で、それぞれ「舞い方」「はやし方」という呼び方をします。

「舞い方」は様々な舞がありますが、神様を意識した振付や動きが基本となります。衣装や面までも舞の一部と捉えられる点も特徴的です。

「はやし方」は3管、3鼓、両弦の8種類の楽器で構成され、舞の伴奏だけが目的ではなく、神への語りかけのような意味も持ちます。

雅楽

朝鮮半島や中国大陸から伝わった楽舞を由来としており、平安時代に日本で整えられた日本の文化とアジアの文化が融合された音楽芸術です。

  • 西洋のパイプオルガンやアコーディオンのルーツとも呼ばれる「笙」
  • 西洋楽器のオーボエのルーツとされている人の声のような音色を出す「篳篥」
  • 篳篥の副旋律のような役割を備えており、龍の鳴き声とも呼ばれる2オクターブもの音域を行き来できる「龍笛」

などがメインの楽器になります。

雅楽は神楽と合わせて演奏されることが多いですね。

舞楽

舞楽は、雅楽に舞が伴った演奏形態です。

中国やインド、ベトナムを中心とした唐から由来した「左方の舞」と韓国や朝鮮半島を中心とした高麗から由来した「右方の舞」に分かれており、衣装の色や舞の特徴、楽器の種類が異なります。

左方の舞(左舞)は、緩やかなテンポな舞が多いのに対し、右方の舞(右舞)は、リズミカルで小刻みな舞です。

他にも左方の舞には笙があるのに対し、右方の舞では笙はないことや、左方の舞は赤系の装束、右方の舞は緑系の装束が多いという特徴があります。

左方の舞右方の舞
由来唐楽高麗楽
舞の特徴緩やか、穏やかリズミカル、小刻み
楽器笙、龍笛、篳篥、鞨鼓、太鼓、鉦鼓高麗笛、篳篥、三ノ鼓、太鼓、鉦鼓
衣装赤系緑系

能は室町時代(14〜16世紀)に、観阿弥と世阿弥の親子によって大成された日本独自の代表的な古典芸能です。

面や美しい装束を身につけながら、歌や囃子を用いた謡(うたい)という演奏形態の元で、シテと呼ばれる主役が舞うことで成立する歌舞劇(ミュージカル)です。

一つ一つの洗練された動きや専用の能舞台で上演されることも大きな特徴です。

「高砂」「隅田川」「井筒」などが有名な演目です。

狂言

日常に起こる失敗を「笑い」にする会話劇です。

人の見栄や欲望、ずる賢い醜さなどを滑稽に表現することで、自然と笑顔になる演目が多いです。

能と狂言はセットで「能楽」と呼ばれます。狂言は能舞台を使ったり、能の上演の合間に行う「間狂言」という演目もあることから、能とのつながりは深いです。

会話形式が基本で、一部の役を除いて、面を使用しないことも大きな特徴でしょう。

猿楽が狂言の原型とされており、能とは違う道筋で完成された芸能という点も見どころですね。

歌舞伎

重要無形文化財として扱われる歌舞伎は、成人男性が演じる女形の存在が大きな特徴です。

芝居の途中でわざと動きを止めて見せる「見得」という技は、演目中でも大きな盛り上がりを見せる歌舞伎の代表的な見どころの一つです。

親と子が同じ舞台で上演することが多く、親子の絆に感動する瞬間もあります。

町民の影響が大きく、大きく分けて3つの語り口が存在します。

  • 町民の生活などを反映させた世話物
  • 舞踊に焦点を当てた所作事
  • 武家社会や歌舞伎が発展した江戸時代より前の話である時代物

また、人気の作品は「仮名手本忠臣蔵」「義経千本桜」「勧進帳」などが存在します。

文楽

ユネスコ無形文化遺産である文楽は太夫が語り、三味線の音楽に合わせて、人形が演じる総合芸術です。

三業(さんぎょう)」と呼ばれる異なる専門のプロフェッショナルが集まっており、それぞれを太夫(たゆう)、三味線弾き、人形遣いと呼びます。

太夫は、物語の内容やセリフを1人で語ります。

三味線はBGMではなく、太夫の語りに合わせて様々な音色を用いて、物語の情景を表現します。

人形遣いは、人形を3人で操る人を指します。繊細な動きや顔の表情まで緻密に再現することから命が吹き込まれているように見えます。

そして語りの太夫と音楽の三味線を2人合わせて浄瑠璃と呼ぶことから、文楽の正式名称は人形浄瑠璃文楽と言います。

また時代物、世話物、景事と呼ばれる3種類のお話が存在しますが、ほとんど歌舞伎と同じで、違いは所作事が景事に変わるのみです。

  • 町民の生活などを反映させた世話物
  • 舞踊に焦点を当てた景事
  • 武家社会や歌舞伎が発展した江戸時代より前の話である時代物

日本舞踊

日本の伝統的な踊りであり、「歌舞伎」から派生して確立した新たな伝統芸能の一つです。歌舞伎との大きな違いは成人男性だけでなく、女性も舞踊家として活躍でき点です。

また能の影響も受けており、歌舞伎と能の技術を組み合わせたものを日本舞踊と捉えても良いかもしれません。

踊りと舞としぐさで魅せるジャンルであり、ダイナミックな動きは少なく「抑える」ことで情緒や間(ま)を表現します。

着物を着ながら舞う時のしぐさや所作の美しさは、日本舞踊ならではの特徴です。

他にも礼や作法を大切にすることから、日本の美意識と精神性が強く反映された芸能です。

日本舞踊には「流派」が存在し、それぞれイメージや振付が異なる特徴があります。約200もの流派が存在し、代表的な流派は以下の5つです。

  • 花柳流(はなやぎりゅう)・・・細かな振付、統一感
  • 藤間流(ふじまりゅう)・・・ダイナミックな振付と踊り
  • 若柳流(わかやぎりゅう)・・・品位や繊細さを重視
  • 西川流(にしかわりゅう)・・・名作歌舞伎舞踊への振付
  • 坂東流(ばんどうりゅう)・・・歌舞伎の色が強い

組踊

唱え(せりふ)、音楽、踊りからなる総合芸術。琉球古来の芸能や故事を元に、日本芸能や中国の演劇を参考に作られたため、形式は能や歌舞伎に近いです。

組踊は琉球王国時代、国王が変わる際に新たな国王を承認する役割の冊封使(さっぽうし)と呼ばれる人を歓待するために玉城朝薫(たまぐすくちょうくん)が創作して生まれました。

唱えは沖縄の古語で語る人を指します。

音楽は歌と三味線、篳(こと)、笛、胡弓(こきゅう)、太鼓の5つで構成される琉球音楽です。彼らは「地謡」と呼ばれ、登場人物の感情や物語の効果音なども担当します。

踊りは琉球舞踊の型を基本とし、日本舞踊と同様「抑える」美学をもとに作られています。

民謡

日本語の発音や韻から生まれた日本固有の音楽の原点といえる「民謡」は、地域ごとの風土や生活様式、歴史を反映しています。

暮らしの中でいつの間にか生まれたため、誰がいつ作ったのか不明なことが多く、楽譜ではなく口承で次世代に受け継がれてきた点も特徴的です。

音楽は、手拍子だけの時や、三味線、尺八を用いることもあります。

民謡にも様々な種類が存在します。他にも数多く存在しますが、代表的なものは以下になります。

  • 仕事に疲れた時に歌う「仕事歌」
  • 収穫を祝う「祝い歌」
  • 祭りの時に歌われる「盆踊り歌」
  • 寝かしつけのための「子守唄」

規則的な拍子で歌われる「八木節(やぎぶし)様式」とリズムや形式に縛りのない「追分(おいわけ)様式」が存在します。

八木節様式とは、一定のリズムで歌われます。拍子があることからみんなで歌ったり、手拍子を合わせることができます。

追分様式は、拍子がなく自由な様式です。声を長くして歌うコブシが用いられることや。広い音域で様々な表現があ流ことが特徴的です。

「花笠音頭」や「ソーラン節」も有名な民謡の一つですね。

大衆演劇

江戸時代の旅芝居が起源とされる伝統文化です。地方を巡行するため、誰でも観劇の機会があります。

時代物の剣劇が多く、人情味あふれる笑いあり、涙ありの華やかな舞台です。

物語が分かりやすく、チケットも2,000円程度とリーズナブルのため、舞台に慣れていない人でも見やすい内容となっています。

演目は「お芝居」と「舞踊ショー」がメイン。

お芝居は誰もがわかる展開や物語が多く、舞踊ショーは日本舞踊を基本とした派手な照明や衣装、音楽との掛け合わせで、どちらも見ているだけで楽しめます。

大衆演劇はホテルや旅館の宴会場でも行われており、客席との距離が近く、臨場感があります。ペンライトを持つファンの方もいるためアイドルのコンサートのような雰囲気もあるでしょう。

毎日演目や役者も変わるため、同じ劇団でも何回見ても楽しめます。

舞踏(おまけ)

1950年ごろから土方巽(ひじかたたつみ)、大野一雄らを中心に展開された身体表現。前衛的(実験的)な芸術表現であることから暗黒舞踏とも呼ばれます。

体を痙攣させることや形にとらわれない踊り手それぞれの唯一無二な踊り、白塗りによる演出が特徴的ですね。

日本舞踊のような「型」は存在しないですが、見せ物としての踊りではなく、自分の身体と向き合い、内側の感情を大切にするという点で、舞踏の確固とした独自性は保たれています。

舞踏は、歴史的にはまだ新しい表現ですが、今後も受け継がれていく伝統芸能になっていくでしょう。

古典芸能は行けばとても面白い!

古典芸能を一挙にご紹介しましたがいかがでしたか?

舞台芸術はライブで行っているため、見に行かなければその感動は味わえないことが多いです。

映像が盛んな現代でわざわざ舞台に足を運ぶことは、腰が重く感じるかもしれませんが、自ら見にいくということで鑑賞の満足感も高まります

もし本記事で1つでも興味あるものがあれば、ぜひ自分の目で確かめてみてください!

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